開放的でカラフルなお嬢さんこけし
宮城県白石市福岡八宮弥治郎地区を産地とする「弥次郎系こけし」。その歴史は古く、江戸時代中期の宝暦年間に開かれたといわれ、享和3(1803)年の記録には、すでに13人の木地師の名前があります。弥治郎地区は鎌先温泉の近くに位置しており、農民が木地業を副業とし、妻女が鎌先温泉にみやげ品を売り歩く“鎌先商い”が盛んにおこなわれていました。
「弥次郎こけし」の大きな特徴は、華やかな衣装。ろくろ線に、着物の襟と裾を描いたものや、蝶や花など、女性らしいモチーフの絵柄をまとった、くびれたウエストも女性らしい印象を与えます。こけしの産地の中では珍しい温暖な環境にあるためか、開放的でカラフルな彩色が施され、どこか西洋の趣を感じさせます。頭頂部にはろくろ線によるベレー帽のような模様が描かれますが、これが主流になったのは、明治時代からといわれています。近年では、後継者不足解消のためにこけし工人を目指す若者を一般公募し、地域人材育成事業として後継者の育成に取り組んでいます。
※木地=塗料を塗る前のお椀やお盆などの木製の器など
※※木地師=ロクロを用いて椀や盆などの木工品を加工、製造する職人
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