あでやかな着物をまとう、女将さん風こけし
秋田県雄勝郡の皆瀬木地山と稲川町から発生した「木地山系こけし」。この地での木地作りづくりとしての歴史は相当に古く、鎌倉時代から木地作りの職人が居住していたといわれています。さらに、平泉から招聘(しょうへい)された南部系工人、信州や会津から訪れた職人たちが合流し、近隣の漆器産地である川面の木地を製作していました。
「木地山系こけし」の胴は太く、頭はらっきょうのような形で、他の産地と比べて小さな作りをしています。頭と胴が一本の木から作られているのも木地山系こけしの大きな特徴です。頭部には赤い「てがら」と呼ばれるかみ飾り模様とおかっぱ模様、そして胴には菊の紋様のほか、“前掛けこけし”と呼ばれるほどに大きな特徴となっている前垂れ、井桁(いげた)、串梅(くしうめ)、梅鉢などが描かれています。その姿は、まるであでやかな着物を着ている女将さんのよう。物言いたげでアンニュイな表情をしているこけしも多く、見る者の想像力をかきたてます。近年は、伝統こけし工人によるユニークなデザインのこけしも人気を集めています。
※木地=塗料を塗る前のお椀やお盆などの木製の器など
※※木地師=ロクロを用いて椀や盆などの木工品を加工、製造する職人
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