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一子相伝で伝わる、美しい音色の風鈴
「松笠風鈴」とは、その形が松笠に似ていることから名づけられた、伝統ある鋳物です。伊達藩の申し出によって天明(栃木県佐野市)から登米に移り住んだ江田氏10代目の庄右衛門源兼氏(しょうえもんかねうじ)が研究の末、安永年間(1772~1778年)に松笠の形をした風鈴を作り出しました。天明元(1781)年には、仙台藩の御用鋳物師の命を受けて以来、一子相伝でその技術を今に伝えています。
松笠風鈴は、鋳物特有のざらざらした表面に虫が食いつぶしたような無数の穴模様が特徴。砂鉄を比較的低温で還元する「たたら製鉄」という方法で製錬しており、現在主流となっている鉄鉱石を製錬した地金に比べて錆に強く、金質も美しいとされています。作る材料の配合などの製法や技法は、江田家代々による門外不出の秘伝です。砂鉄が作り出す風鈴の音色は、どれひとつとして同じものがありません。余韻が心地よい、独特の音色にふるさとの素朴な魅力を感じることができます。
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