- 全国に類を見ない、重厚な木工
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- 約500万年もの歳月をかけて樹木が炭化した化石のような木材「埋れ木」。その独特な艶が美しい埋れ木を使って作られるのが「埋木細工」です。江戸時代の文政5(1822)年に、仙台藩の下級藩士が青葉山で発見し、様々な工夫を凝らして埋木細工を作り始めたといわれています。その後は、茶器や銘々皿、お盆などが作られるようになりました。
- 明治時代後半には亜炭の採掘が盛んになり、同じ地層から埋もれ木が豊富に掘り出されました。それに伴い、職人の技術も磨かれていきましたが、昭和30年代以降、亜炭採掘が行われなくなると、「埋木細工」も衰退。現在は、1人の埋木細工職人が、蓄えてある材料で製作を続けています。“拭漆(ふきうるし)”で艶やかに仕上げられた重厚感のある木工は、全国的にも類のない、珍しい工芸品。その伝統を絶やさぬよう、平成24(2012)年には仙台市の助成によって埋木細工職人の小竹さんが弟子を迎え、新たな感性で「埋木細工」の魅力を伝える作品を作っています。
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