- 伝統の赤と革新の青。その対比を楽しむ
-
- キリッとした中に柔らかな表情を感じさせる佇まいの「遠刈田系こけし」。400年以上前の安土桃山時代から続く木地師の伝統が根付く遠刈田新地(とおがったしんち)、遠刈田温泉、および青根温泉が主な産地です。
- 伝統的な姿(写真左)は、なで肩の細い胴に差し込み式の大きな頭で、切れ長の三日月形の目、そして「割れ鼻」と呼ばれる二本線で描かれた鼻が特徴です。頭に描かれた放射状の「てがら」と呼ばれる飾り、胴にはフリーハンドで菊文様が描かれ、重ね菊、旭菊、崩れ桜など、工人の個性が表れた絵柄が描かれています。平成25(2013)年には大手セレクトショップとのコラボレーションで、藍をイメージした青色を身にまとったこけし(写真右)が販売され、一世を風靡しました。これまであまり使われることがなかった青色を用いたその凛とした姿は、こけしファン以外からも注目を集め、幅広い層にこけしの魅力を拡げていきました。伝統色の赤と青のコントラストが美しく、伝統的な絵柄を新たな姿として伝えてくれる作品です。
< 工芸品紹介へ戻る