山形漆器の伝統文化を守る朱の輝き
「出羽の虎将」最上義光氏の城下町山形市。江戸時代に始まった「山形漆器」は分業で製造され、大正期には数十人の漆工が漆器製造に従事していましたが、現在は元禄2(1689)年創業の「本家 長門屋」のみが山形市内で漆器づくりを守り続けています。山形漆器は、刷毛ムラ(はけむら)を残さず漆の光沢を魅せる「花塗り」を主な技法として発展してきました。
唯一の製造元である「本家 長門屋」では山形漆器の伝統を基礎に試行錯誤の中で生み出した「権之助塗(ごんのすけぬり)」が作られています。山形の特産である紅花模様を手彫りし、本漆で下地塗りから上塗りまで行っています。さらにはベンガラと呼ばれる顔料を蒔く「朱蒔(しゅまき)」を施すことにより丈夫で扱いやすく、使えば使うほどに色艶が増していくといいます。丸盆や菓子器、茶托など、和の文化と馴染みが深い漆器は、素朴であたたかみがあり、長く愛されてきた伝統文化を感じさせる一品です。
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